| 文・村上守行、イラスト・矢崎木綿子 1.種の入手 エゴマの種は在来種を使うのが良いです。在来種がない場合は地域に適した品種を入手しましょう。北海道なら9月に収穫できる極早生や早生の品種、東日本では早生または中生、西日本は中生または晩生というのが一般的です。ただし、台風の被害が多いところは極早生を栽培するのも一つの対策となります。 何が適しているかわからない場合はいくつかの品種を試験的に栽培するのも方法です。 エゴマの品種には黒種と白種という違いもあります。(韓国の極早生は茶種です。)一般に黒種よりも白種の方が作りやすいですので、在来種としては白種が多いです。白種は黒種にくらべて0.5mmほど粒が大きく、収量も1割ほど多くとれると言われています。一方、黒種は含油量が白種より2〜3割ほど多いので搾油の目的で作られることが多いです。なおエゴマの種は日本エゴマの会事務局の他に島根・川本エゴマの会(代表 竹下禎彦 Tel/Fax 0855-74-0607)、岐阜・白川エゴマの会(代表 服部圭子 Tel/Fax 0574-76-2725)や岩手・衣川エゴマの会(代表 鈴木育男 Tel/Fax 0197-52-3820)などでも入手できます。
A. 畑の耕耘は定植の2〜3ヶ月前に エゴマをつくる田畑は前年の秋や早春に深さ15cmまで耕耘しておくのが良いです。畑を耕す前に堆肥や肥料を施して土になじませるようにしてください。とりわけ定植直前に生のコメヌカや油粕を施すのは虫のわく原因ともなりますので、早めに土になじませるようにします。直前に施す場合は発酵(ぼかし)させたものを使います。 B. 初めは無肥料で
C. 2年目以降の施肥基準
コメヌカと油粕は発酵肥料(コメヌカ 3、腐葉土 1、エゴマ油かす 1:魚粉または鶏糞 1)にして施してください。そのまま(未発酵)のものを使う場合は秋または初春に施します。家畜の糞を堆肥にして用いる場合は2〜3年完熟させてから用いてください。その際、チッソ成分が多すぎないように注意します。チッソが多いと徒長したり病気、虫にやられやすくなります。
エゴマの実入りや種子の大きさはカリ肥料成分に左右されると言われています。カリ分の多い堆肥、木灰、クンタンを施しましょう。木灰やクンタンは7〜8月に追肥として施すとより高い効果が期待できます。 E. 味には堆肥、コメヌカ、ミネラル エゴマは土壌肥料によって味・品質に差が出ます。良質のエゴマをや作るには堆肥、米ぬか、ミネラルを施すことが大切となります。その際、チッソが多くならないよう堆肥は完熟のものだけを与えます。
3.種まき A. 5月から7月 エゴマの種まきは5月から7月までが期間です。最適期は早生が北海道や北東北で5月中旬、中生が東日本で6月初旬、晩生が西日本で6月下旬です。播き時期は早すぎないことがポイントです。発芽適温は23度です。
1平米あたり5〜10mlを畝間20cmで条まきまたは点まきにうすくまきます。播種機でまけば省力になります。20mlの種があれば直播きで一坪、移植で1アール分の苗ができます。育苗の場合、1平米の苗床で10平米の栽培面積分ができます。 播いたらつぎに土をかぶせますが、ポイントは厚くしないことです。土を厚くかぶせると発芽しなかったり、遅れたりします。しかし土をかぶせないと干からびたり、鳥に食べられたりしますので、注意が必要です。そして発芽するまでは毎日水を切らさずに与えます。4〜7日ほどで発芽します。 1平米あたり苗床肥料は堆肥900g, ぼかし300g, 貝化石100gを目安とします。 |
5月〜6月の作業
| 文・村上守行、イラスト・矢崎木綿子 1. 育苗管理 {A. 間引き・除草}エゴマが発芽して4〜5日後、草丈が2〜4cmになったら1回目の間引き・除草を行います。 2〜3cm間隔で一本になるように苗を間引いてください。そして草丈が6〜8cmになったら第2回目の間引き・除草を行います。第二回目の間引きは4〜6cm間隔に間引き、苗がたがいに触れないよう、日照が十分当たり、風通しがよい状態をつくります。
{B. 仕立ての目標}理想の苗は茎が太く、節がつまってずんぐりしています。茎が太ければ倒れにくく、節が多ければ花芽の付き方が多くなり、収量も多くなります。
<苗が30cm以上になってしまったら>
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6月〜7月の作業
| 文・村上守行 イラスト・矢崎木綿子 1. 中耕除草 移植して2〜3週間すると雑草が大きくなってきます。雑草が大きくなる前に除草してエゴマの生育を妨げないようにします。そして同時に土盛りをしてやるとエゴマの根ばりがよくなり、生育が旺盛で倒れにくいエゴマ ?左が管理機による中耕除草、右が中耕除草前。 が育ちます。 除草を兼ねた土盛りを「中耕除草」と呼んでいます。クワや管理機で中耕除草をします。盛り土は一度、除草は2度行えばだいたいの雑草は取り除くことができます。管理機でやる場合は畝上げを終えた後、クワやレーキで土をエゴマの根元まで寄せます。2. 摘芯 エゴマは生育が旺盛な場合は150 cm以上にも草丈が伸びてしまいます。とりわけ初めて作る畑では養分が豊富なためエゴマは伸びすぎてしまいます。これを防ぐためにそしてより多くの実を収穫するために摘芯技術というものがあります。韓国の林さんが伝授された技術をここで紹介します。 {A. 第一回目} {B. 第二回目}
第一回摘芯後2〜4週間後に、脇芽の3葉がでたら、下2葉を残し、3葉目から上を取り除きます。 1本の脇芽の2葉から4本の孫芽が出てきますので、6本の脇芽からは合計24本の孫枝が出てきます。 {C. 時期} 摘心は開花1ヶ月前まで(8月初旬前後)までに終えるようにします。8月中旬以降に摘心をすると花穂が大きくなれず多収穫が望めなくなります。また天候不順でエゴマの生育が良くない時は摘芯をしないで育てます。 < 湿地や洪水に注意 > エゴマは水分の多い土地とりわけ水田の転作地や水の溜まる所では生育が著しく悪くなります。そのような土地にエゴマを植える場合はあらかじめ高畝にしてから植えます。また溝をほり上げ、排水をよくする必要があります。 |
7月〜8月の作業
| エゴマの病気と虫 文・村上守行・松嶋敏夫 1. 始めに 病気や虫に強く作りやすいエゴマにも、よく見かけられる病気や虫がいます。現在エゴマに特定された農薬はありませんので、法律上は農薬をかけれない作物となります。しかし、エゴマは農薬を使わなくてもその病気や虫には十分対応できます。健康のためにエゴマを作る人は農薬を使わずにエゴマを作る技術を身につけましょう。その第一は土づくり・施肥です。完熟の堆肥をほどこして土づくりに励みましょう。そして肥料はチッソ分が多くならないようにします。第二に輪作をすることです。エゴマは連作障害がそれほどありませんが、やはり連作をすると病気や虫が出やすくなります。第三は適切な植え付けや圃場管理にあります。圃場がしけったり通気が悪くなったりすると病原菌が繁殖します。また枯れ葉枯れ枝や雑草が周りに茂っていると虫の生息、越冬場所となります。圃場は水はけをよくし、通気も良くなるように、また周囲の雑草をまめに刈ったり、堆肥にする努力がひつようです。 2. エゴマの病気 3. エゴマにつく虫 |
8月〜9月の作業
| エゴマの病気と虫 文・村上守行・松嶋敏夫 ● エゴマの生育が遅れています ![]() <左が昨年8月5日、右が今年8月11日の同じ畑のエゴマ状況> 今年は6・7月の長雨でエゴマの生育が2〜3週間遅れています。中にはエゴマの移植が出来ずに苗が伸びすぎてだめになってしまったり、移植したものの水分が多い土地でとろけてしまったり、発育不良になってしまったところもあります。例年に比べてかなりの減収が避けられません。今年は摘芯をせず、除草の回数を増やします。 ● エゴマの開花 ![]() エゴマの花は8月下旬から9月にかけて開きます。エゴマは短日性植物なので、日が短くなったと感じると花を咲かせます。またエゴマは自家受粉なので、虫の媒介を必要としません。エゴマの一つの枝に5〜6本の花穂をつけます。花穂は10〜15cmの長さでそこに5〜70個の白い花を咲かせます。エゴマの花や姿はシソとよく似ています。違いはシソよりもエゴマの実ほうが大きくなることにあります。シソと同じ学名に属しますので、相互に交配します。シソやオオバとは200mほど離して植えるようにします。エゴマは花穂の下の方から咲き始め順次、上の花が開きます。先端部分は結実しません。 ● エゴマの追肥 エゴマの実入りをよくするために木灰(1a 5kg) やミネラルとりわけカルシウム (貝化石 1a 5kg) の追肥は有効です。また茎を堅くして倒れにくくするためにはケイ酸分の多い鉱物質 (たとえばタフライト 1a 5kg) も有効です。もし、育ちすぎで葉の緑が濃い場合はチッソ肥料分が多すぎだったことを示しますので、その場合は生長を抑えるため、クンタンを施します (1a 2kg) 。一方、開花時に葉の色が薄い場合は油粕や米ぬか( 1a 5kg) の追肥がいいです。 ● 雑草に注意 今年はエゴマの生育が遅れているため、雑草が茂りやすくなっています。雑草は収穫前にきれいと除きましょう。雑草がエゴマの実と混じるとなかなか選別できなくなります。唐箕選でも水洗いでも雑草はエゴマと選別できません。ですから、雑草を混ぜないように畑から取り除いておくことが重要となります。 ● 台風に注意 ![]() 9月は台風のシーズンです。台風にあってエゴマが倒れると収穫がかなり減収します。台風にあっても倒れにくいエゴマを仕立てるには 1.草丈を120cm以下に抑えます。 2.分けつを多くし、ずんぐりした体型に仕立てます。 3.分けつ枝を太くし折れにくくします。 4.根張りを多くして倒れにくくします。 5.盛り土をして茎を支えます。 6.茎を太くします。 7.開花時に隣のエゴマとの隙間がなくなる程度の間隔と生長を目指しす。そうすれば相互で支え合うようになるため、風で倒れにくくなります。 こうした特徴を備えるためには「仮移植」と「摘芯」が有効な技術となります。 |
9月〜10月の作業
| エゴマの病気と虫 文・村上守行・松嶋敏夫 ● 刈り取り 1.時期 エゴマの刈り取り時期は花が落ちてから約4週間、または茎葉が4分の3程度黄化したころ、あるいは最も熟した穂から実が落ちるころと言われています。品種による収穫適期は以下のようになります。
エゴマの収穫適期は短く5日間ぐらいです。刈り取り時期が早いと不稔(しいな)が多くなります。刈り取り時期が遅れると実がたくさん落ちてしまいます。エゴマの花穂は大きいもので10段前後の実を付けますが下から上へと順番に熟していくため、収穫適期の中央部分が熟した時に最上部は熟しておらず、最下部はすでに落下しています。福島県田村市では「最後の花が残っている時に刈り取れ」という言い伝えが残っています。なお、小鳥や虫の被害が大きい場合は刈り取り時期を早めます。 朝夕又は曇りに実が飛ばないよう静かに刈り取ります ● 脱穀・乾燥 ● 番外・ カカシを作りましょう |
10月〜11月の作業
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文・村上守行、イラスト・矢崎木綿子
● 水洗い・乾燥 1.目的 えごまは刈り取り後すぐにそして十分に乾燥させた後に、最低でも5回水洗いして再び乾燥する必要があります。それはエゴマには砂や土が混じっており、しかもエゴマ 2.準備するもの 水槽(40リットル程度) 2つ以上(できれば3つ) あわザル(エゴマがもれない目の細かいもの) 網目のすくい 網戸またはカンレイシャ 3.洗い方 ●砂や土を洗い落とす 4.乾燥 ●風通しのよい状態で干す |